開拓伝道についての恐れを乗り越える為の4ステップ
沖縄中央キリストの教会の晋吾です、ブログへお越しいただきありがとうございます(^^)
ネットで色々なキリスト教関連のブログを調べていて、開拓伝道(まだ教会がない地域に行って教会を始めること)についての記事がほどんどないことに気が付きました。
私自身、2016年5月に開拓伝道のために東京から沖縄に家族で移住しました。開拓伝道に行くことを決めるプロセスや、行ってから4ヶ月経った、2016年9月現在までに、沢山の気付きや学びがあったので、ぜひ、これから開拓伝道に行くことを検討している方のお役に立ちたいと思いにシェアさせてもらいたいと思いました。
そういうわけで、今日は、開拓伝道(私たちの教会ではミッションチームと呼ばれていますので、以下、ミッションチームと表現させて頂きます)に行くことへの恐れ、不安をどのように乗り越えたのかについてお話させて頂きます。
最近、複数の人から次のような質問をもらいました。
「ミッションチームに行くことを真剣に考えています。でも、失敗するのが怖くてなかなか踏ん切りがつきません。どのようにその恐れを乗り越えればいいでしょうか?何かアドバイスを貰えますか?」
初めに申し上げると、そのような恐れがあるとすれば、それは不信仰の罪を犯している、ということではなくて、ある意味、健全な恐れではないでしょうか(「自分には全く恐れなど無い」という人は、自分の力を過信しているか、自分の中に恐れがあることを自己認識できていない状態だと思われます)。
失敗が怖くて踏み出せない・・・
自分自身の事を振り返って考えてみると、約10ヶ月前の2015年11月に沖縄ミッションチームへの参加への打診があった際、そのような恐れがありました。具体的には次のような点で、失敗に対しての恐れ、不安要素がありました。
- 今まで、教会を始めたことも、リードしたことはない
- スモールグループリーダーをやったことや、バイブルスタディを始めから最後までリードしたことはない
- 誰かにバプテスマを授けたことはない
- 自分が沖縄に行っても誰も救われなかったらどうしよう?
- 沖縄でユースミニストリーが育たなかったら、自分の子供達は救われるだろうか?
- もし、誰も救われずに、数年経って帰ってくることになったら、惨めな思いになるんじゃないだろうか?
- 沖縄での成功がなく東京に帰って来ることになったとき、恥ずかしいんじゃないだろうか?
- 沖縄に引越してから自分のビジネスが傾いてしまったら、もしくはダメになってしまったら、どうやって家族を養っていこう?
- まだまだ自分は未熟なのではないか?もっと成長してから行くべきでは?
なので、今、この記事を読んでくださっている方が、そのような恐れを抱いているのであれば、今回の話はきっと役に立つと思います。
では、どのようにその恐れを乗り越えたか?
ポイントは4つあります。
- 「失敗すること」の定義を再定義する
- 愛することへの覚悟を決める
- 考えるだけでなく、具体的に行動に移す
- 信仰を持って踏み出す
以下、順に説明させて頂きます。
1「失敗すること」の定義を再定義する
わかりやすく例えをお話します。
エジソンは電球を発明するまでに約一万回もの「失敗」をしたと言われています。
なぜ一万回もの失敗を繰り返したにもかかわらず、彼は諦めなかったのでしょうか?
あるインタビュアーが彼に質問をしました。
「一万回もの失敗をして、なぜ諦めなかったのですか?」エジソンは答えました。
「失敗などしていない。一万通りの上手く行かない方法を発見しただけだ」
彼にとっては、上手く行かないことは「失敗」ではなく、学びであり、電球の発明に必要なステップを踏んでいたに過ぎなかったのです。
「諦めないで挑戦し続ける限り、そこには失敗というものはない。あるのは学びだけだ」
私は失敗というものを学びの一部分として捉えることができた時、開拓伝道に挑戦することへの恐れが小さくなったことを覚えています。
大切なのは、「過去の経験から学び、今日の自分が昨日よりもイエスに向かって成長しているか」、ということなのです。
近づいているのであれば、なぜ近づいているのか、近づいていないのであれば、なぜ近づいていないのか。それを常に考えて、次につなげていけば良いわけです。
「改善」のプロセスに自分を置き続ける限り、そこには失敗というものはありません。これができれば、「失敗する」ということはなくなり、失敗に対しての恐れもずっと小さくなるはずです。
2愛することへの覚悟を決める
愛する人、例えば自分の妻、そして子供が病気で苦しんでいる場面に立ち会っていると想定して下さい。
そのような光景を目の当たりにして、その時、あなただったらどのように考えるでしょうか?
「自分に助けられるかな?その資格や能力があるかな?」 と考えますか? 「助けられなかったら恥ずかしいな、失敗してあとで惨めな思いになったら嫌だな」 と考えますか?
そんなことはまず考えないでしょう。 きっと、どんなに大きな犠牲を払うことになっても、愛する人を助け出すために、やれることは何でもやるでしょう。 無我夢中で必死な思いになって、何とかして助け出そうとして、思いつく限りのことをやるでしょう。
そこには、恥も恐れもありません。
失敗に対して恐れに取り憑かれている人と、そうでない人との違い。それは、愛することへの覚悟があるかないかの違いとも言えるでしょう。
愛には恐れがない。完全な愛は恐れを締め出します。なぜなら、恐れは罰を伴い、恐れる者には愛が全うされていないからです。
(ヨハネの手紙 第1 4章18節 新共同訳聖書)
「ミッションチームに行って失敗したらどうしよう」と私が悩んでいた時、ふとこの聖書の言葉が頭に浮かびました。失敗すること、できないことへの恐れに取り憑かれているとき、自分の心の中には愛が全うされていない、ということに気が付きました。
何とかして、自分が傷つかずに、汚れずに、自分のことを守りながら沖縄の人たちのことを愛そうとしていました。「自分で決めた範囲までは愛するけれど、それを超えた愛が必要とされる時には愛したくない」、そのような愛です。そして、それはイエスキリストが私に示してくれた愛とはかけ離れていて、自己中心的な愛でなのだということにも気づかされました。
私たちは、全てのものを捨てる覚悟で何かに臨んでいる時、そこには恐れというものはありません。神様からくる平安があります。
しかし、捨てられないものを抱えながら、自分のことを必死に守ろうとしながら、何かに取り組んでいる時、反って失うことへの恐れが出てきて前には進めなくなります。
沖縄のことを中途半端な覚悟で愛そうとしているから、逆に恐れが出てくるのだということがわかりました。そして、そのような思いを悔い改めたいと思い、神様が与えてくれた沖縄の人たちのことを心から愛するという心が与えられるように、毎日、神様に必死に祈り求め始めました。
その結果、心が変えられて、イエスが人々を愛したのと同じ愛で、沖縄の人たちのことを自分の家族のことを愛するように愛していくんだ、という覚悟が与えられました。
3考えるだけでなく、具体的に行動に移す
「失敗する恐れを乗り越える方法」について、どれだけ頭のなかで考えてみても、それだけでは乗り越えることはできません。最終的に、失敗への恐れを乗り越えるためには、恐れと正面から向き合い、乗り越えるための「行動を起こす」しかありません。
もちろん、本を読んだり、他の人達からの体験談を聴くことによって、学ぶことや参考になることは沢山あるでしょう。
しかし、スキーのやり方をいくら本や動画で研究してみても実際に滑ってみなければ滑れるようにはなりません。それとおなじで、「失敗を乗り越える方法」方法についていくら沢山知的に学んでも、実際に自分がそれを行動に移さなければ、最終的には恐れを乗り越えられるようにはなりません。
1つ目のポイントと共通していますが、転びながら、時には怪我をしながら乗り越えていくという覚悟を持って、実際に失敗への恐れを乗り越えるための行動に移していくことが必要です。行動を起こして、自分で経験しながら乗り越えていく以外に、方法は無いのです。
私の場合、沖縄にミッション移住をする前に、2回の現地視察旅行の機会を持ちました。
実際に沖縄に来てみて、そこで沖縄の人たちと実際にふれあい、伝道したり、短期間ですが生活してみて、感触を掴んでいきました。そのようにして、実際に沖縄に住むとどんな毎日になるのかというのを、自分なりに経験してみました。そのことによって、よりリアルに沖縄への移住を感じることができました。
しかし、それでも、実際に引越す時点で、恐れが完全になくなることはありませんでした。
恐れは小さくなりましたが、まだまだ0ではありませんでした。
しかし、だからといって全ての準備が完全に整うまで、準備していては、いつまでたっても移住できません。
4信仰を持って踏み出す
最後は信仰を持って踏み出すことが大事です。どんなに成熟したクリスチャンであっても、開拓伝道が100%上手くいく保障などありません。しかし、上手くいくと信じて踏み出さなければ、上手くいくことはありません。
この段階に至るまでに、神様は様々なことを通して、働きかけ、自分がその地に行くべきかどうかを教えてくださっているはずです。
私達家族は、祈りの中で、神様が私たちを遣わそうとしていることを信じました。そして、信仰を持って一歩を踏み出しました。
実際に引越してみて、現地で生活することによって、教会に仕えることによって、伝道することによって、人と聖書の勉強をすることによって、自分たちに与えられた聖霊を通して、神様の力が確かに働いていることを実感することができました。また、そのことに伴い、初めの恐れがどんどん小さくなってきているのを実感しました。
なぜならば、沖縄の教会に奉仕すればするほど、教会が前進しているということを体験することができたからです。
この4ヶ月間の間にも、沖縄ミッションチームの働きを通して、実際に1家族(大人2人、子供2人)がメンバーシップとして加えられようとしています。このことを通しても、自分を通して神様は確かに働かれ、沖縄に福音を伝え、人を救いに導かれると確信することができました。
もう一度、失敗を乗り越えたポイントをまとめると、以下のようになります。
- 失敗することの定義を再定義する
- 愛することへの覚悟を決める
- 考えるだけでなく、具体的に行動に移す
- 信仰を持って踏み出す
ぜひ、皆さんも、開拓伝道に向けて、神様が自分の人生を通してどのようなかたちで福音を伝えようとしている計画をお持ちなのかを祈って考えてみてくださいね(^^)